白内障とは

白内障とは

白内障とは、眼球の中でレンズの役割をはたす水晶体が濁ってしまう病気です。水晶体は、直径と厚みの両面が膨らんだ凸レンズの形をしているタンパク質と水分からなる透明な組織で、これが濁ってしまうと光が十分に通過できずに散乱してしまい、網膜にはっきりとした像が結べずに物がぼやけて見えたりするようになります。

白内障は放置しなければ、基本的には失明するようなことはありません。しかし、一度発症すると薬で治すことはできません。目がかすんだり物が二重三重に見えたりして日常生活に支障をきたしたり、不便を感じたりするようになれば、手術による治療を検討する必要があります。手術と聞くと不安に思われる方もいるかもしれませんが、白内障手術は日帰りで、片目約10分で終わる安全な手術ですので、安心して受けて頂ければと思います。

白内障の見え方

水晶体は血管や神経が通っていない組織なので、白内障になっても痛みなどの自覚症状はありません。ただし、一度水晶体の濁り始めると、消えることなく徐々に進行していき、目のかすみやまぶしさ、視力低下、物が二重三重に見えるなどの症状が現れてきます。

目のかすみ

水晶体の濁りが広がってくると、目の前に白い霧がかかったようにぼやけて見えることがあります。

まぶしさ

光が水晶体の濁りで乱反射するため、明るいところではまぶしく感じ、見えにくくなることがあります。

物が二重三重に見える(複視)

水晶体の中心にある核と、そのまわりの屈折率が異なることで、物が二重三重に見えるようになる場合があります。

白内障簡単セルフチェック

白内障にかかっている方の中には、目のかすみやぼやけなどの症状が現れていても、「疲れているから」と考えて発症に気づかない方もいます。
次のような症状に心あたりがある方は、一度当院までご連絡ください。その症状は、白内障によって引き起こされている可能性があります。

  • 目がかすむ
  • 物がぼやけて見える
  • 片目で物を見ると、二重三重に見える
  • 以前よりも視力が低下した
  • 近視が強くなり、何度も眼鏡の度数を変えている
  • 明るいところで光をまぶしく感じるようになった
  • 室内であれば問題ないが、晴れた日の屋外では見えにくくなる
  • 以前よりも暗い場所で物が見えにくくなった
  • 老眼鏡をかけても物が見えにくい
  • 近くが見えるようになり、老眼が治った
  • 距離感が上手くつかめずに、階段の上り下りなどで苦労している
  • テレビのテロップなどが見えにくいため、読むのに時間がかかる
  • 目がすぐに疲れるため、長時間の読書ができない
  • 手芸など、細かな作業が行いにくくなった
  • 視力が低下してきたため、車の運転に不安を感じることがある
  • 視力検査に引っかかり、自動車の免許更新が不合格だった
  • 左右の目の見え方の差が大きい

白内障の原因と予防

白内障の原因には様々なものがありますが、なかでも最も多いのが加齢による白内障(加齢性白内障)です。
しかし、水晶体に濁りが発生して白内障が発症するのには、加齢以外にも紫外線、喫煙、飲酒、糖尿病などの複数の要因が関与している場合があります。

紫外線

水晶体のタンパク質が酸化し、性質が変化すること水晶体が濁るようになりますが、酸化が進行する要因の1つに紫外線があります。
水晶体は紫外線を大量に通すため、酸化障害を受けやすいので、UVカットの眼鏡を着用するなどの対策で白内障を予防するようにしてください。

予防

紫外線による水晶体の酸化障害を防ぐためには、できるだけ紫外線が通る量を減らす必要があります。つばの広い帽子、日傘、UVカットの眼鏡などで紫外線をカットするようにしてください。

喫煙

喫煙により水晶体のビタミンCが破壊されることで、水晶体が濁り白内障の発症リスクが高まるとされています。喫煙者の白内障リスクは、非喫煙者の約1.5~3倍と言われています。

予防

白内障予防のためにも、そしてお体の健康のためにも、禁煙されることをおすすめします。どうしても禁煙できないという方は、喫煙本数を減らすようにしましょう。

飲酒・アルコール

過度な飲酒は白内障のリスクを高める可能性がありますので、適度な飲酒を心がけるようにしましょう。

予防

休肝日を設けたり、適度な飲酒を心がけたりするなどして、白内障リスクの低下に努めるようにしてください。

糖尿病

糖尿病により血糖値が上がると、水晶体の中のブドウ糖の濃度も高まり、ソルビトールという物質が生成されます。これが水晶体の中に蓄積されると白内障を引き起こすことがあります。
そのため、糖尿病の方は白内障にかかりやすい傾向にあります。特に高齢者では、白内障の発症が早まる傾向にあります。

予防

通院先の医師の指示に従い、血糖値を適切にコントロールして白内障を予防するようにしてください。

その他の原因

上記以外の原因として、次のようなものがあります。

<ステロイド>
ステロイド薬の長期投与によって水晶体が濁り、白内障が発症する場合があります。

<先天性>
遺伝や胎児感染などが原因で、先天的に水晶体が濁り白内障が発症する場合があります。

<放射能>
大量の放射能を浴びることで水晶体が濁り、白内障が発症する場合があります。

<アトピー性皮膚炎>
アトピー性皮膚炎に合併して水晶体が濁り、白内障が発症する場合があります。

食事での予防効果

ビタミンCやビタミンEには酸化を防ぐ抗酸化作用があるため、白内障の予防に役立つとされています。なので、これらを豊富に含む食物を積極的に摂ることで、白内障の予防効果を期待することができます。

ビタミンCを豊富に含む食物

  • 小松菜
  • ブロッコリー
  • かぼちゃ
  • 菜の花
  • オレンジ
  • イチゴ
  • キウイ

など

ビタミンEを豊富に含む食物

  • うなぎ
  • ハマチ
  • タラコ
  • かぼちゃ
  • モロヘイヤ
  • 赤ピーマン
  • アーモンド
  • ヘーゼルナッツ
  • 落花生

など

白内障手術前の検査

問診

問診により、患者様の現在の見え方などを確認します。

屈折検査

患者様の現在の視力を測定します。

眼圧検査

眼圧を測定して白内障以外の病気が発症していないか確認します。稀に白内障が進行した過熟白内障などが原因で、水晶体が膨らんで眼圧が上がり緑内障を起こすこともあります。

細隙灯顕微鏡検査

眼球に細隙灯(細い光の束)を当てることで、水晶体のどの部分がどの程度濁っているのかを観察し、白内障の種類や進行度合いなどを確認します。

OCT検査

視力低下は、網膜に障害がある時にも起こります。網膜の病気が原因であれば、白内障手術を行っても視力は回復しません。そのため、OCT(光干渉断層計)を使って網膜の状態を詳しく確認します。

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角膜内皮細胞検査

角膜内皮細胞とは、角膜の内側を覆っている細胞のことです。角膜内皮細胞は一度減少すると再生することはなく、白内障手術前の細胞数が極端に少ない場合は、手術後も視力回復が見込めないことがあります。
そのため、手術前に角膜内皮細胞を検査して、手術に対する角膜の耐久性や、手術後の視力への影響などを診断します。

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眼軸長測定・角膜曲率半径測定

IOLマスター7000を使って眼軸長測定・角膜曲率半径測定を行い、それらの値から使用する眼内レンズの度数などを決定します。

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角膜形状検査

角膜形状検査により正乱視か不正乱視かを確認し、白内障手術でもって矯正可能かどうかを判定します。
正乱視の場合、乱視矯正眼内レンズによって矯正することが可能ですが、不正乱視の場合は手術を行っても矯正することはできません。

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白内障の治療法

白内障の治療法には、大きく分けて「点眼薬」と「手術」の2つがあります。

点眼薬

点眼薬による治療では症状の進行を遅らせることはできますが、症状改善や視力回復などをはかることはできません。

手術

白内障は、ほとんどが手術によってのみ視力を回復させることが可能です。白内障手術は日帰りで、片目約10分で受けられる安全な手術です。

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白内障手術を受けるタイミング

一度水晶体に濁りが生じると、点眼薬では取り除くことはできません。白内障の根本的な治療は、手術により水晶体を取り除くことです。
白内障手術を受けるタイミングとして、日常生活に支障をきたしたり、不便を感じたりするようになった時などが挙げられます。白内障手術は非常に安全な治療法ですので、不安に思う必要はありません。
悪くなった目のために不自由を我慢するのではなく、手術を受けられて快適な生活を取り戻されることをおすすめします。